村田勇気 個展 CIRCUM-SCRIBE
会期|2021.5.1{土} ー 5.31{月}
休館日は火・水・木曜日(但し.5.4(祝・火)は開催します
開催時間|10:00〜12:00 13:00〜17:00
開催方法|1時間あたり8名までの事前予約制
予約方法|予約ページから予約をして下さい
入場料|無料
SPECIAL TALK 村田勇気╳綾門優季
2021.5.1(土)15:30〜17:00
入場料|1,000円(高校生以下無料)支払いは当日お願いいたします
予約方法|5月1日の15:00と16:00のいずれかのタームにて予約を入れて下さい
綾門優季(あやと・ゆうき)
1991年富山県生まれ。劇作家。青年団リンク キュイ主宰。青年団演出部。日本大学藝術学部演劇学科非常勤講師。
震災、テロ、パンデミックなど、突発的な天災・人災に襲われた社会とそこで生きる人々の様子に強い関心を持ち、一貫して作品の主なモチーフとする。
2013年、『止まらない子供たちが轢かれてゆく』で第1回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。2015年、『不眠普及』で第3回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。2019年、『蹂躙を蹂躙』で第10回せんがわ劇場演劇コンクールにて、劇作家賞を受賞。2020年、初の小説「唯一無二」が文学ムック ことばと vol.2に掲載。現代詩手帖にて「闇雲に言葉を選ばないで」連載中。「文學界」「悲劇喜劇」等に書評・劇評を執筆。2021年8月、最新作『ダイレクト/ネグレクト』をこまばアゴラ劇場にて公演予定。
CLOSING ACT 村田勇気
2021.5.30(日)15:30〜17:00
入場料|無料
予約方法|5月30日の15:00と16:00のいずれかのタームにて予約を入れて下さい
村田勇気(むらた・ゆうき)
1991年富山県生まれ。 東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2016年-2017年、イタリア滞在。
伝統工芸「高岡漆器」彫刻師の家系に生まれ、伝統技法による具象木彫から、スクリプトを用いたミクストメディアや工芸展のキュレーションなど、幅広い活動を通して 木彫概念を多角的に検討する。
主な受賞に2019年「岡本太郎現代芸術賞」入選、2016年「アートアワードトーキョー丸の内」グランプリ、2016年「秀桜基金留学賞」、2016年「東京芸術大学杜の会賞」、2015年「アートフェア富山」グランプリなど。日本をはじめ、シンガポール、台湾での アートフェアなどに出展多数。参加予定に2021年7月「東京ビエンナーレ」。
※2020年4月開催の予定でしたが、今まで延期していました。いよいよ開催です。村田勇気の全貌が明らかになります。
富山県に生まれ、「高岡漆器」彫刻師の孫である彫刻家、村田勇気(むらたゆうき、1991-)。
伝統的な職人の世界やゼロ年代のインターネットを原風景とする彼は、独自の視点から木彫文化特有の方法論やコードについて洞察を深めてきました。
三角鑿を研究し、線彫りを巧みに使いこなした祖父の仕事風景から、Sculpture(“Skelh”=切る)とScribe(“Skreybh”=引っ掻く、傷をつける)を隣り合わせる着想を得た村田は、出生の地である富山において、個展三部作「SCRIBE」を企画します。
第1章「IN-SCRIBE」。
「刻む、書く、内接する」などの意味を持つ“Inscribe”をテーマに、2020年2月、西田美術館で個展を行いました。
完成品が素材に内接していくカービングの基本思考を整理するとともに、ヒトがモノに意味を刻むということの特質を強調するこの展示では、木製看板や石碑への銘記、活版印刷、Unicodeといった記録技術史について言及。
新共同訳聖書、夏目漱石『草枕』、岡倉天心『東洋の理想』などをモチーフとし、 さらには作者自ら手掛けた高難易度問題「IN-SCRIBE」を公開しました。
第2章「DE-SCRIBE」。
「記述する、描写する、説明する」などの意味を持つ“Describe”をテーマに、2020年3月、富山市ガラス美術館で祖父の個展をキュレーションしました。
彫刻師・有岡芳山(ありおかほうざん、1909-1998)の生誕111周年に寄せ、所在の特定できた数少ない彼の漆器彫刻と、膨大な図面を展示。親族などによる口伝や記録、そして会場に訪れた芳山を知る者との会話を頼りに、村田勇気が書き手として筆を執り、会期全日程、リアルタイムで記述した物語が展示室の壁を満たしていきました。
ここまで2つの個展で、累計千人強におよぶ異例の動員を記録し、満を持して第3章を迎えるはずが、新型感染症の拡大に伴う緊急事態宣言。これを受け、無期限の開催延期を余儀なくされました。
第2.1章「A-SCRIBE」。
「〜のせいにする」などの意味を持つ“Ascribe”をテーマに、2020年4月、ギャラリー無量で無観客個展を行いました。
一体何のせいで? 先行きの見えぬ中、世情を反映し急遽大きく練り直したプランに基づくリモート展示です。マスクの中に閉ざされた絶え間ない問答を、緊急事態宣言の対象地域である自邸にこもりながら記述し、会場に送信。第2章で行ったパフォーマンスさながら、スクリプトがギャラリーオーナーの手によって貼り出され、日を追うごとに空っぽの展示室を覆い隠していく様子を配信しました。体力と精神の限界まで書き連ねられたスクリプトは、用紙二千枚以上におよびました。
そして1年が経ち……
最終章「CIRCUM-SCRIBE」。
「制限する、線で囲む、外接する」などの意味を持つ“Circumscribe”をテーマに、2021年5月、ギャラリー無量で待望の個展を行います。
この度おおいに加速してしまった、社会、情報媒体、ヒトと空間との関係の変容を反映し、当初のシナリオに改編を施したアップデート版としてシリーズを締め括ります。数学者佐藤郁郎氏と木工技師中川宏氏による共同研究、画家榎本和子氏「オマージュ瀧口修造展」で検討されたデューラー立体の構造解析に基づく新作木彫群のほか、初の試みであるパフォーマンス記録映像や写真などを構成したインスタレーション、第2章「DE-SCRIBE」の後日譚、第2.1章「A-SCRIBE」の翻案、岡本太郎現代芸術賞展出品作「任意のアトリビュート」などを公開。また、第1章「IN-SCRIBE」で発表した高難易度問題「IN-SCRIBE」の、解答編「CIRCUM-SCRIBE」を本展にて公開。アーティストトークで問題解説を行います。
これまでのシリーズで提示されてきた複雑なファクターの全てが響き合う、グランド・フィナーレをお見逃しなく。